フォロワーが急増した裏には何が?SNS初心者が成し遂げた奇跡と今後の展望
こんにちは!ゆりママんです。
愛媛県・久万高原町にある小さなタクシー会社「美川タクシー」が、今、SNSで大きな注目を集めています。
フォロワーがわずか16人だったアカウントが、たった3日で2万人に急増。この驚きの裏には、広報担当「広報さん」の努力と情熱がありました。
今回は、そんな「美川タクシー」の広報さんに直接お話を伺いました。
SNS活動のきっかけと試行錯誤の道のり
広報さんは松山市出身で、12~3年前に久万高原町に住み、美川タクシーに勤めています。
広報活動を始めたきっかけは、社長さんから「会社のXアカウントを立ち上げてほしい」という依頼でした。
「社長はSNSには慣れていませんでしたが、わたしがもともとツイ民(Xを利用していた)なので、任せてくれたんです」と広報さんは話します。
2024年5月にアカウントが誕生しましたが、フォロワーを増やすのは簡単ではありませんでした。
個人アカウントを持っていても「見る専」だったため、X運用初心者である広報さんにとっては、難しい課題だったようです。
「最初は、町の風景や日常を投稿していましたが、なかなか大きな反響はなく、フォロワーは16人のままでした。でも、少しずつ増やしていこうと考えていました」
大転機—カメラが欲しい!広報さんの本音がバズる
広報さんが転機を迎えたのは、2024年9月9日に投稿した「カメラを買いたい」という投稿でした。
「星空や自然の風景をもっと美しく撮りたいと感じて、スマホでは限界があると分かり、カメラが欲しいと思ったんです。」
ネットで探していたところ、ちょうど「FUJIFILM」のカメラがセール中だったため、社長さんに「このカメラを会社で買ってほしい」と提案。
しかし、社長さんの返答は「1万いいねがもらえたら買う」というものでした。
そこで広報さんは、9月9日にこんなツイートをしてみました。
すみません。
みなさんの力を貸してください!!!弊社社長が、いいねが一万来たら
広報に↓のカメラを買ってくれると
約束してくれました。今はスマホカメラで頑張っていますが、
美川タクシー、そして久万高原町の未来の
為にもっと素敵な写真を撮りたいです!!
よろしくお願いします!! pic.twitter.com/0Zt3y1I1yF— (有)美川タクシー (@mikawataxiehime) September 9, 2024
「Xの企画としてチャレンジしてみた投稿でしたが、翌日には100いいねを超え、午後には通知が鳴り止まないほど反響がありました。3日後には2万人のフォロワーに。もうびっくりでした!」
社長さんもこの反響にはびっくり!そして約束通り、松山市内の『カメラのキタムラ』で念願のカメラを購入しました。(ポケットマネーで購入してくれたそうですよ!)
広報さんの熱意が実を結び、さらにこの話題が新聞や全国テレビのニュースに取り上げられると、フォロワーも急増しました。
「久万高原町に行く際は、ぜひタクシーを利用したい」というメッセージも多く寄せられ、会社の売上も1〜2割増加したそうです。会社にとっても嬉しい悲鳴ですね。
フォロワーからの温かい支援—レンズの寄贈に驚き
ただし、ここでひとつ問題が発生。
「カメラ本体は買ってもらえたものの、レンズは別で購入しないといけない」と言われ、困っていたところ、なんと2組のフォロワーさんがレンズを寄贈してくれることに!
「全国から応援のメッセージや贈り物が届き、本当に驚きました。カメラ情報誌やタオルのプレゼントまでいただきました」
そして、SNSに無関心だった社長さんにも変化が。「SNSなんて…」と思っていた社長が、Xの状況を確認するようになり、広報さんの活動を心から応援するようになったのです。
「SNSは悪いイメージしかなかったのですが、実際に内容を見てみると、温かいコメントばかりで、考え方ががらりと変わりました」と社長さんは語ります。
さらに嬉しいことに、熊本の「熊本タクシー」や京都の「MKタクシー」など、同業者からもリスペクトされる存在に。
よく目にする有名企業からコメントが届くなど、SNSを通じて繋がる喜びを日々の投稿を通じて感じているそうです。
これからの広報活動—久万高原町の魅力をカメラで伝える
新しいカメラを手に入れた広報さんは、これからも久万高原町の魅力をSNSで発信していきます。
「今年の秋は、西日本最高峰の石鎚山に登って、その美しい景色を撮影したいです。それから、地元の人しか知らないような小さな神社や、紅葉が美しいスポットなども紹介していきたいですね」
また、久万高原町のあじさいの名所「旧美川スキー場」についても話題が広がりました。
実は、この場所に約2,000株のあじさいの苗を植えたのは、美川タクシーの社長さんだったのです。
「急斜面に苗を植えるのは大変でしたが、今では見事な風景になっていると聞いて驚きました」と、社長さんもその成長に感動していました。
地域に尽力する社長さんと、その魅力を広く伝える役割を担った広報さん。
二人がタッグを組むことで、久万高原町のさらなる魅力発信に貢献していくでしょう。
SNSで成功するための秘訣
SNSで大成功を収めた広報さんに、SNS活用のコツについてお話を伺いました。
「特別なことをしなくてもいいんです。日常の風景や小さな出来事を、そのまま発信することが大切です。ありのままの日常や久万高原町の魅力を伝えることが、人々の心に響くのだと思います」
たしかに、Xでの投稿を見ると、SNSに不慣れな社長さんと広報さんの、ほのぼのとしたやり取りがそのまま伝わってきます。
こんな一コマが、読者を温かい気持ちにさせてくれるのかもしれないですね。
社長「カメラ来たやで」
広報「ありがとうございます!!🙇♀️」
……………………
社長「まだ開けんのか」
広報「🥹(社長の方がわくわくしてるな)」
— (有)美川タクシー (@mikawataxiehime) September 15, 2024
こうしたリアルで自然なやり取りが、SNSでの発信において重要な要素になっているのかもしれませんね。ありのままの姿を見せることで、フォロワーの心をつかむことができるのです。
地域と共に歩む—美川タクシーの未来
今回のSNSでの成功により、美川タクシーは愛媛・久万高原町の魅力を全国に発信する強力なツールを手に入れました。
広報さんの新しいカメラを使った発信が、今後も多くの人々に愛され、久万高原町のさらなる活性化につながることが期待されます。
「SNSを通じて、もっと多くの人に久万高原町を知ってもらい、実際に訪れてもらえたら嬉しいです」と、社長さん、広報さんは語ります。
みなさんもぜひ、美川タクシーのX(旧ツイッター)アカウントをチェックして、広報さんの最新の投稿を見てみてください。