愛媛が誇る“体験するお茶”とは?新宮茶が『対面販売』にこだわる理由
愛媛の特産品として知られる「新宮茶」
普通なら、道の駅やスーパー、お土産屋さんに並んでいてもおかしくない。
でも、新宮茶はちょっと違う。新宮の茶農家は、自ら外に出て、新宮茶を直接お客さんに届けているんです。

脇製茶場の対面販売。お客さんと直接話しながら、新宮茶の魅力を伝えている
これ、実は50年以上も続く伝統的な販売スタイル。
「お客さんの顔が見えることが大事」
「まずは飲んで、新宮茶の魅力を知ってほしい」
そんな想いを大切にしているからこそ、対面販売にこだわり続けているんです。
「外に売りに出る」販売スタイルの始まり
今でこそ、道の駅やスーパーに並ぶお茶が当たり前になったけど、新宮茶は昔から“外へ自ら売りに行く”スタイルをとってきました。
きっかけを作ったのは、約50年前。脇製茶場の2代目が始めたといわれています。
「お店に置いてただ待っているだけではダメだ」
「自ら足を運んで、新宮茶の良さを直接伝えよう」
そう考え、県内各地の産直やスーパーに出向き、直接お茶を販売し始めたのが始まりです。

お客さんとのコミュニケーションを取りながら販売する脇製茶場
それが今でも続いていて、現在では脇製茶場と大西茶園の2社が、この販売スタイルを守り続けています。
対面販売の魅力とは?
対面販売の一番の魅力は「お客さんの顔が見えること」
新宮茶を育て、製造している人たちにとって
「どういう人がこのお茶を選んでくれているのか?」
「実際に飲んだとき、どんな表情をするのか?」
こうした反応を直接見られるのは、とても大切なこと。

大西茶園の対面販売。緑茶、ほうじ茶など多くの商品を選びやすくディスプレイ。
大西茶園の大西さんは、お客さんの反応やレビューを品質向上につなげていると言います。
「もう少し渋みを強くした方がいいのか?」
「色をもっと濃くするべきか?」
そんな微調整を、実際にお客さんと話しながら考えていく。
これが、対面販売だからこそできることなんです。

大西茶園ではお客さんのレビューを聞き、翌年の新茶のブラッシュアップにつなげている
もうひとつの魅力は「リピーターの反応がわかる」ということ。
対面販売を続けていると、毎回買ってくれるリピーターの方も増えてきます。
例えば、脇製茶場では新宮茶だけでなく『和紅茶』や様々なラインナップを用意していて「前回買った紅茶、おいしかったよ!」なんて会話が生まれることも。

脇製茶場の「和紅茶」は女性を中心に人気。ギフトにぴったりな可愛いパッケージにも注目。
こうした直接のやり取りがあるからこそ、新しい商品開発のヒントにもなっているんです。
共通するスタイル:「試飲販売」
新宮茶の対面販売で、もうひとつ特徴的なのが「試飲販売」
普通、お茶ってお店で買ってから家で飲むものですよね。
でも、脇製茶場と大西茶園は「まずは飲んでみて!」というスタイルを大事にしています。

新宮茶の試飲は50年以上続けているスタイル
特に脇製茶場の4代目純樹さんは『日本茶インストラクター』の資格を持っていて、どんなにお客さんが多く訪れて忙しいタイミングでも、新宮茶の魅力を最大限に引き出す淹れ方で提供しています。

脇製茶場では緑茶だけではなく和紅茶も試飲できる
「買わなくてもいいから、とにかく一度飲んでみてほしい」
試飲して、その味を知ってもらうことこそ、新宮茶の良さを伝える一番の方法なんですね。
「新宮に来てほしい」それが共通の想い
脇製茶場も、大西茶園も、新宮茶の販売スタイルは違うけど、共通しているのは「新宮の魅力を伝えたい」という想い。
「新宮ってこんなにいい場所なんだよ」
「ここで、こんな素敵なお茶が作られてるんだよ」
「ぜひ新宮に遊びに来てほしい」
そんな気持ちを込めて、お茶を手渡しているんです。

大西茶園の茶畑
まとめ:新宮茶は「体験するお茶」
新宮茶の販売は、ただの「売る」作業じゃなくて「知ってもらい、体験してもらう」ための活動。
だからこそ、50年以上続く対面販売というスタイルが、今も大切にされています。

脇製茶場の工場の前に広がる茶畑
「まずは飲んでみてほしい」
「新宮のことを知ってほしい」
そんな気持ちが詰まった、新宮茶の対面販売。
もしどこかのイベントで見かけたら、ぜひ気軽に試飲してみてくださいね!
きっと、新宮茶のファンになっちゃいますよ。