爆発音とベルの音で人が集まる、昭和の屋台のような光景
「チリンチリン♪ボンッ!」
遠くで響くベルの音と爆発音。その音を聞いた人々が駆けつける。まるで昭和の屋台のような光景が、今も愛媛に存在します。

パットライス石丸のレトロな屋台
それが「パットライス」を移動販売で作り続ける、20年以上の歴史を持つ、石丸さんの屋台。
しかし、このお店、SNSもなければ、どこにいるかもわからない。
情報がなさすぎて「いつか出会えるのか?」と思っていたら、ついに 砥部町・七折梅まつりの会場で偶然出会うことができたんです。
きっかけは広島のインフルエンサーの動画
このお店の存在を知ったのは、広島県のインフルエンサーが投稿した一本の動画。
愛媛を訪問していたとき、偶然、軽トラックでパットライスを販売している様子を発見したようで「撮影させてもらえませんか?」声をかけられ、撮影されたそうです。
そこに映っていたのは、軽トラックの荷台に機械を載せて移動販売をする様子。
「チリンチリン」とベルを鳴らして客を呼び「ボンッ!」と爆発音を響かせると、お客さんが駆けつけるという、今ではなかなか見られないレトロなスタイル。
「これは実際に見てみたい!」と思ったのですが、SNSに出店情報がなく、動画の撮影場所に行ってみても見つからなかった。
それが、偶然、砥部町のイベントで見つかったのだから、まさに「奇跡の出会い」だったんです!
元・料理人が惚れ込んだ「パットライス」
このパットライス屋台を営むのは、もともと関西で寿司や日本料理を専門にしていた元料理人の石丸さん。
愛媛にUターンし、料理人として腕を振るったあと、転職を考えていたときに伊予市でパットライスの移動販売に出会ったそうです。
「お客さんが寄ってきそうな場所を選んで販売する。その自由なスタイルに惹かれた。」
何度もそのお店を訪れ「自分もやってみたい」と申し出たそうです。すると、ちょうどパットライス販売をやめる業者がいて、機械を譲り受けることができんだとか。

パットライスの一番人気は「白米」
こだわりの材料と、作り方の不思議
元料理人ということもあって、石丸さんのパットライス作りは味や食材には徹底的にこだわっています。
使用するのは、東温市・川内で作られるお米。
機械に1升のお米を入れると、10袋のパットライスが完成します。

軽トラックの荷台で作られるパットライス(変わり種のペンネも人気)
熱する時間は約18分、爆発音のあとに完成。
水飴のように見える砂糖水を混ぜると・・・時間が経つとパラパラに!これは不思議~!

熱した砂糖と水を混ぜ合わせるとパラパラに(麦のパットライス)
お店の前にいると、突然『とうきび』を持ってくるお客さんが。
「これもポンってやってもらえる?」と、乾燥させたとうきびを機械で焼いてもらい、できあがりは ポップコーンのような仕上がりに。

お客さんが持って来た『とうきび』でポップコーンを作る
さらに、石丸さんの元に訪れる人は常連のお客さんが多く、まるで家族のような関係。
おじさんが忙しいときは、常連客が接客&精算をすることも!
「お釣りここに置いておくね〜」と勝手に支払いが完了。今の時代にはなかなかない、人情味あふれる空間がそこにはありました。
毎月必ず出店するイベントも!?
どこに出店しているか分からない」と言われるパットライス屋台。
しかし、実は毎月必ず出店しているイベントがあるんです。
それは、香積寺(隻手薬師)で毎月12日に開催される『月縁日』(雨天決行)
朝8:30~9:00頃には出店し、午前中には完売することもあるそう!
さらに、その前日(11日)には東温市内でパットライスを作るとのこと(詳細はGoogleマップ)
「久しぶりに爆発音を聞いてみたい!」という方は、ぜひ立ち寄ってみて。
キッチンカーとは違う、自由な販売スタイル
最近のキッチンカー販売は、イベント出店やスーパー前の販売が主流になっています。
しかし、このおじさんは「今日はここでやる」と決めた場所で出店。
そして、そこには自然とお客さんが集まってくる。

個人的におすすめなのはカラフルな「あられ」
「なぜおじさんのところにお客さんが集まるのか?」キッチンカー販売をしている人から、アドバイスを求められることもあるそうですよ。
SNSなし、情報ゼロなのにお客さんが集まる理由
今の時代にはなかなかない、温かい空間がここにはありました。
「どこにいるか分からないけど、また会いたくなる」
このパットライス屋台は、情報ゼロなのに、また食べたくなる、また会いたくなる。そんな、不思議な魅力が詰まったお店でした。

パットライス石丸にやっと出会えて喜びが隠せない・・・!
見かけたらぜひ行ってみてくださいね。ゆりママんでした。